梼原(ゆすはら)町は、高知市から車で約1時間30分。くねくねと続く山道を登り、険しい峠を越えたところにあります。愛媛県との県境に位置し、冬は雪で閉ざされることもあるほど山深い町です。
総面積237km2、人口は約3,800人。典型的な中山間地でありながら、この町は他の町とはちょっと違います。
全国に先駆けて自然エネルギー(風力・地熱・太陽光・木質ペレットなど)に町ぐるみで取り組み、2009年には国から「環境モデル都市」の指定を受けました。
東日本大震災以降、梼原町の先進的な取り組みへの注目がさらに高まり、いまも県内外からの視察が途絶えることはありません。
梼原町は健康面でも、1971年に無医村を経験したことから、安定的な医療確保の必要性を痛感し、住民の中から「健康文化の里づくり推進員」を選定するなど、独自の“住民主導の生涯現役社会”を目指した取り組みを進めてきました。
その結果、特定検診の受診率は76.1%(2010年度)。高知県の34市町村中1位であり、全国の32%と比べてもはるかに高いことが分かります。寿命も1995年と2005年を比べると、10年で男性1.6歳、女性で1.3歳と伸びました。