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ゆすはらスタッフブログ
近江 聡子 2014年08月22日
慶應義塾大学 大学院 理工学研究科 伊香賀俊治研究室
修士1年 近江 聡子
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 慶應義塾大学修士1年の近江です。私は平成25年度から伊香賀研究室に所属し、「地域環境と児童生徒の身体活動や健康との関係」について研究しています。
 梼原町では唯一の小学校・中学校である梼原学園の児童生徒、保護者、教職員の方々に調査にご協力いただき、児童生徒には活動量計(歩数・消費カロリー・活動量などを測定)を装着してもらいました。
 調査にあたり何度も梼原学園に訪問させていただいたのですが、子どもたちは廊下ですれ違うと「こんにちは!」と元気よく挨拶をしてくれます。また、活動量計の使い方について説明会を行った際には、興味を持ってもらえたようで、使い方について積極的に聞きにきてくれる子もいました。そんな子どもたちの笑顔を見ていると、研究を子どもたちの将来のために役立てたいという意欲が湧いてきます。私は調査を通じて、子どもたちから元気をもらっています。
 調査の結果としては、都市部や地方中小都市の児童生徒に比べて歩数が少ないという結果でした。自然が豊かな中山間地域の方が子どもたちは元気に外で遊んでいると思う方もいらっしゃるかもしれませんが、文部科学省の調査においても、都市部の児童生徒に比べ、中山間地域では肥満傾向児の割合が高くなっていることがわかってきました。その理由の1つとして、車移動に頼らなくてはならないといった環境の違いによるものが考えられます。梼原町の全体の傾向では歩数は少ないですが、中には子どもの目標歩数である10,000歩を超えている子もいて、特に運動部に所属している生徒は十分な歩数が確保できていることがわかりました。普段の運動が足りていない子どもはどのくらいの運動量があれば目標歩数に達することができるのか。運動会の練習時期にも活動量計を装着してもらい、普段との歩数の違いについて検証しました。結果は、普段の運動が不足している子でも運動会の練習時期には目標歩数を達成しており、十分な運動量が確保できていることがわかりました。つまり、1日の目標歩数を達成するためには、運動会の練習時期くらいの運動量が必要であるということです。
 普段の歩数を増やすためにどのような環境づくりをしていく必要があるのか。今後さらに分析を進めることで梼原町の皆様に提案していければと考えています。車による移動が多いことも歩数が少ない原因ですが、梼原町では車による移動手段は避けられません。そのため、梼原町の特徴に合った提案をできたらと考えています。この調査を通じて、地域の大人たちで子どもが活動しやすい環境作りに努めるだけでなく、子どもたち自身も自分の生活習慣を見直すきっかけになればと考えています。
 また、調査で梼原町に訪問させていただく中で、たくさんの方に出会い、人々の暖かさを感じました。梼原町には神祭の日にもお邪魔させていただき、盃を片手にたくさんの方とお話をすることができました。初対面の方も多かったのですが、とても親切にしていただきました。人との関わりの大切さなど、梼原町に来ることで私自身も梼原町の方々から学ぶことが多々あります。
 調査を遂行にあたり、梼原学園の関係者の方々をはじめとして、様々な方にお世話になりました。心より御礼申し上げます。今後、調査結果から、子どもたちの健康を維持増進させていくことで、健康長寿のまちづくりの一助となればと考えております。 画像

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